<< 「留学」のつづき | HOME | 高松北中学校へ合格おめでとう! >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | -
「留学」のつづき
 アメリカに到着して1週間後、私はついに寮に入ることができました。語学スクールにも通い始め、そこで友達もできました。日本人の知り合いもできました。しかし、私が最も頼りにしていたのは、その日本人の知り合いから紹介してもらった香港系アメリカ人でした。
 
 私のいたバージニア州では車がないと大変不便なところでしが、そこで私はB氏(その香港系アメリカ人)に、
「免許を取って車を持ちたい」
と、言いました。B氏は、
「シュンジ(私のこと)、まず車を買いにいかなければならない」
と、とても真剣なまなざしで私に言います。B氏は、たいしたことでもない場面でも真剣なまなざしで話をすることが多いのです。まるでカメラを意識している俳優のように。といっても、あくまでも香港映画の俳優のようにですが。
「シュンジ、それからその車を持って免許書センターへ行かなければならない」
と言うので、
「免許も無いのにどうやって車を運ぶの?」
と、聞き返すと、
「本当はダメだが、みんな車を(免許も無いのに)勝手に運転していくのさ」
と答えます。
「この偽香港スターの言うことをどこまで信じていいのか…」
と、疑いましたが、あの真剣なまなざしがその疑いを追い払ってしまいます。
「で、免許取るのに何日かかるの?」
と尋ねると、
「何日?…半日もかからないよ…」
と言います。
「運転の訓練はしないの?」
と更に質問を続けると、
「自分で練習してからいくのさ」
と、答えが返ってきます。
「免許が無いのに勝手に車を運転していいのかい?」
最後にそう聞くと、
「みんなそうしているさ」
と、少し乱暴な答えを返してきました。


 ところが実際に日本と比べれば考えられないくらい簡単に短時間でしかも安く免許が取れました。そして、私はどこへでも自由に移動できるようになりました。寮を出てB氏の実家の近くにアパートを借り、B氏のお父さんが経営する(B氏も手伝っている)中華料理の店に入り浸るようになりました。 

「いつもありがとう。何かお礼がしたい。日本製品で欲しいものはないか。」
私が聞くと、B氏は例のすました顔で、
「シュンジさん、俺たちはともだちです」
と、ここまでは覚えたての日本語でゆっくりと言い、
「助けるのは当たり前さ」
と、残りは英語でペラペラっとしゃべりました。ここまではいつものクールなB氏ではありましたが、しかしその後少し様子が違いました。
「一つだけ…いや、気にしないで…」
どこかモジモジしています。
「ハッキリと言いなよ」
と、私がプッシュすると、ついに本音を言い始めました。
「…日本人の彼女が欲しい…」
信じられないくらい真っ赤な顔をしていました。
「いや、気にしないで…」 

 
 もちろん、その時私は想像すらしていませんでした。まさか、B氏がその後に紹介した日本人女性とお付き合いを始め、そして間もなくその女性とアメリカで挙式を挙げ、ついには日本に移り住むことになるとは。いや、B氏にはそれが想像できていたのかもしれません…。

 
 
| 回想録 | comments(0) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
| - | - | -


COMMENT


POST A COMMENT









この記事のトラックバックURL
http://wits-sanuki.jugem.jp/trackback/37
TRACKBACK



CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>
PROFILE
CATEGORIES
ARCHIVES
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENT
RECOMMEND
LINKS
OTHER


MOBILE
qrcode